先月の主な活動

■「健太いのちの教室」さんへ訪問

2011年3月11日、東日本大震災の大津波により、多くの犠牲者が出ました。

そこには「守れた命・守るべき命」がありました。

大崎市の田村孝行さん、弘美さん夫妻は、東日本大震災の津波で息子の健太さんを亡くされました。

当時健太さんは、七十七銀行女川支店(宮城県女川町)に勤務中でした。

健太さんは、七十七銀行があらかじめ規定していた防災マニュアルに従って、同僚とともに高さ10メートルの2階建ての屋上に避難しました。

しかし、約20分後に押し寄せた20メートルの大津波に飲み込まれてしまい、12人が死亡・行方不明。

町の指定避難場所である高台に避難して助かった人たちがいる一方、なぜ目の前の高台に逃げることが出来なかったのか…。

なぜ屋上だったのか…。

企業・学校・地域一般の方々も、津波の知識を持っていれば多くの命を守ることができました。

「健太いのちの教室」さんへ訪問したのは、「東日本大震災の被災地を訪問して、語り部さんのお話を聞かせていただきたい」という関西にお住まいの大学生からのメールがきっかけになりました。

コロナ禍で宮城も緊急事態宣言に入り、訪問は延期になりましたが、オンラインを通じて田村さん夫妻を紹介させてもらいました。

■これまでの活動や健太さんが生きた証

田村さんは9年ほど前から、女川で被災地を訪れる人に被災状況や教訓を伝えています。

被災者家族会としての活動のほか、「いのちを大切にする社会づくり」を目指し、2019年11月に一般社団法人「健太いのちの教室」を設立。

宮城県松島町にある奥さんの実家の空きスペースや畑を生かし、「健太いのちの農園」と名付けた集える場も作りました。

女川で出会った人々が訪れることもあり、お茶もできるように改装。オンライン学習会の配信もこの場からされています。

震災の反省から学んだことを教訓として、防災意識を高めるため、被災地宮城から全国へ伝承発信。

人の生命・身体の安全を第一に守る大切さを学び、日本に再来する災害に対する防災知識を備え、大切な命を守る活動を行っています。

「他者への思いやりや自分を大切にする心を育み、いのちの大切さを一緒に考えていきたい。

息子が生きた証しとともに命を守る避難行動を企業、学校、地域、特に若い世代へ伝えていきたい」と穏やかに話すお2人。

震災から10年となり「語り継ぐことが未来の命を救う」と決意を新たにする姿が印象的でした。

田村さん夫妻のお話し会がYouTubeで見られます。

大切なことが語られていますので、こちらをどうぞ。↓

震災遺族 オンライン語り部